敗者のゲーム原著第5版 チャールズエリス 金融危機を超えて読んでみた

書評

ざっくり感想 良書であるので是非一読すると良いと思う

敗者のゲーム―金融危機を超えて<原著第5版> 単行本 – 2011/2/25 チャールズ エリス (著), 鹿毛 雄二 (翻訳)

※今回読んだのは第5版です、さらに新しい最新版も出ています。

若干自身の関係者が運営するファンドへの我田引水な記述があるような気がするが、内容は正しいものを記述してると感じた。

要約すると個人投資家がインデックスをアウトパフォームするのは非常に難しいのでインデックスを買いなさい、という話である。

加えてファンドの選定や個別銘柄の選定をするよりは、まず資産配分と自分の自身の人生計画資金配分などを計画するというのがもっとも大事なので一年に一度ぐらい(元旦など)は時間を取ってやるべきだということを書いてある。

内容で印象的だった部分

インデックス投資は投資のドリームチームである

言いたいことはわかる気がするが。

機関投資家が今の市場の取引のほとんどを占めてるということを考えるとその機関投資家の成績=インデックスの成績だということを言ったいようだ。

しかしいまいち理解というか腑に落ちなかった。

結局インデックスの強みというのは、基本的に例えば日経であれば流動性や収益率などを鑑みて、良い企業( なかには任天堂やキーエンスなど優良企業で225に入っていない銘柄ももちろんあるが )が日経225に組み入れられていく。

そのため自ずと非常に素晴らしい経営がされている優良企業だけが残っていく。

結果として良い成績になるということなのかなあと思っていたがそういうことではなさそうだ。

投資戦略は明文化せよということ

これは確かにするべきだと思う、なぜかと言うと例えばリーマンショックなどの暴落値は株を買い向かうべきタイミングである(結局個人に底はわからないと思うが)。

しかし、そうした時は得てして経験の少ない個人投資家ほどパニックになり、指をくわえて何もできずに見ているだけだ、というのは想像に難くない。

そのためそういった時のために自身が理解しやすい言葉に戦略を明文化してしておく(これはもちろん暴落の来る前に、今すぐ)というのは非常に有効かつ分かりやすく効果的な準備なのではないかと思う。

もちろん一番大事なのはそれを見てその通りに行動できることなのだがこれができるかはその人の胆力次第ではないか。

ローゼンバーグ教授の言葉

ローゼンバーグ教授は2%の年間超過収益率でさえ偶然でなく優れた運用によるものであることを結論づけるには70年間にわたる観察が必要である、と推定している。

これはつまり個人のせいぜい数年や十数年ぐらいの運用成績で市場の平均インデックスなどをアウトパフォームしててもこれは例えば地合いが良かったであるとか、偶然に左右される要素が多いことを示唆していると思う。

確かにネット上で凄腕の投資家というのは結構いる、がどの人の話もよく聞いてみると投資を始めた当初に大きなチャンスをものにして、その勢いのまま株式投資を続けているという人が多いように感じた。

もちろんそういったチャンスをつかむというのは準備してないとできないことであり、それは素晴らしい実力によるものだと思う。

がおそらく同時期に似たような投資行動をしていた人は多くいたはずである、その中でその人が成功したのは実力によるものか、運によるものなのか、それは結局70年間にわたる観察が必要だということをローゼンバーグ教授は主張しているようだ 。

気になった記述

・オールドなパイロットや、ボールドなパイロットは居るが、オールドでボールドなパイロットはいない。

・いわゆる新金融商品に投資してはならない、この手の商品のほとんどは投資家に保有されるためというより、投資家に売るために設計されている。
新商品に関して他の投資家の話に耳を傾けてはならない。


ある新米の漁師が魚がカラフルなルアーに食いつくの感心して眺めていたら、その時釣り道具屋をこういったという「魚にはそのルアーは売らないよ」


これは一体どういう例え話なのかいまいち理解ができなかったのでググって調べてみようと思う。

・ jp モルガンがいった、相場に対する予想。「一週間後に相場は変動しているだろう」

・本書巻末の推薦図書の最初の三つ
  -バークシャーハザウェイのアニュアルレポート
  -ベンジャミングレアムの賢明なる投資家
  -ジョンボーグルのボーグルの投資
このジョンボーグルという人は ヴァンガードの創始者らしい、ヴァンガードといえばインデックス商品を売っている。またチャールズエリスの友人でもあるということだ。

結局敗者のゲームとは何なのか

チャールズエリスの主張する敗者のゲームとは、テニスの試合でプロとアマの試合内容に見られるようなことを株式市場でも証券市場でも起きているということを言っているそうだ。

このテニスのプロとアマの試合内容の違いというのは、たとえプロであればお互いトッププロらしくミスのない状況で、勝者サイドが素晴らしいサーブを決めた、であるとかベストなタイミングベストのショットを決めた、というような勝者のテクニックによって勝敗が左右される。これは勝者のゲームである。

しかしアマの試合で見られる光景は、そういった卓越したテクニックによって得た勝利というものではなくて、ミスによって結果的に自分のポイントを失うというようなゲームが多い。これが敗者のゲームということだ。

これと同じようなことが株式市場でも起きているといっている。

つまり現代の市場では機関投資家などが台頭することにより、非常に効率的な市場が構築されている。その場で個人投資家が誤った判断による投資などのミスを犯すことによってたちどころに食い物にされてしまう、つまりこれは敗者のゲームであるということらしい。

私も何の根拠もない株取引を繰り返して、短期間に莫大な損を積んだことがあるので非常に納得できる話である。

結論

結局素人はインデックスに勝つことはできない、なので資金計画を立てる。また自身では引き受ける事のできない破綻リスクの可能性がある信用取引などのレバレッジをかけない。市場に勝つというような手段が目的になってしまっているような事をしないことが肝要であるということだと感じた。

また10年20年などの長期投資、つまり資金拘束が有っても良いということであれば、証券などより株式の方が期待値が高いということも書いてある。

加えて、例えば自分の死後のことも考えて行動するということは老齢になっても逆に老いを感じさせない行動であり希望が持てる、とも書いてあった。

若干ヴァンガードの商品を売りたいのかなと感じるところもあったが、ほとんどの素人個人投資家がインデックスにアンダーパフォームするというのは事実なので結果的には正しいことが記述されてると感じた。

本書に記述されていることを自分なりに噛み砕いて理解し今後の投資行動において、正しい行動をするための知識として役立てていきたい。


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敗者のゲーム―金融危機を超えて<原著第5版> 単行本 – 2011/2/25 チャールズ エリス (著), 鹿毛 雄二 (翻訳)

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