ざっくり感想
デイトレード 単行本 – 2002/10/19 オリバー ベレス (著), グレッグ カプラ (著), 藤野 隆太 (翻訳)
すべての投資系書籍に言えることなのだが、本を買って読んだだけで勝てるようには当然ならない。というか短期投資に関して言うとほとんどの人が負ける。多少勝ってもかけた時間や労力を含めたコストとリターンを考えると、コンビニでアルバイトでもしていた方がマシだった、という人も多いと思う。
実際私は短期トレードでは負けこしのため、短期売買で勝つのはもうあきらめました。
本書はまあ面白かったが、重複した記述がいくつかあるように思える…五分の一くらいのボリュームにはできそうなんだが、大事なことなので複数回言いました。みたいなことなのだろうか。
そしてこの本を読んでその通りの行動をしたら逆にカモられるとすら思う。
株式市場では90%の人たち、つまり大衆は負けている。
勝つためには大衆がどういった行動をとるのかを予測して、その逆を行く(つまりヘッジファンド等の大口の行動を真似る)ことが肝要である。そのために大衆の行動規範の参考データとしてこの本などを読むと役に立つかもしれない。
メンタルに関連したことが多く書かれており、他の本書に関してのレビューもそこに着目したレビューが多いが、私はそこは全く本質的で無く、むしろそこにフォーカスしてしまうことこそが負け組大衆への第一歩だとと考える。
ただ一つ負けてる人が少しでも改善する可能性が非常に高い方法(勝てるとはいってません、現状よりは改善する可能性が高いだけ)として、トレード日誌をつけるということは有効だと感じた。
印象に残った記述
マーケットに確実をもとめるようなトレーダーは、「正しい結果が生じる確率を評価することだけができる」という事が認識できていない。
「確実を達成することができれば、精神は明白になり、落ち着きを得られる」ものと信じられている。しかし、逆説的ではあるが、確実を達成することができないと認識したときに、精神は落ち着きを得られるのである。
トレーディングにおける成功は、損失を回避することによって決まるのではなく、「いかに損失をコントロールするか」によって決まるのである。
マーケットで勝者になることを熱望するのであれば、損失をコントロールするというプロの負け方を学ぶことが重要な鍵となる。
大儲けを狙う事は初心者の証である、トレーディングの成功は数字を積み上げていく事である。一回で1万得るより1000を10回狙え。1万の利益より、短期で低リスクである。
トレーディングにおいて希望は疫病神である。希望は常に売るもの。
プロのトレーダーがいかに苦しんでいても損失が非常に少額であれば、彼らが本物であることがわかる。
それは技術と厳格な規模を要するものであり、勝者の証である。
損切りは勝ちである。
損切ったトレーダーはマーケット参加者が得られるプレゼントを得ることが出来る。
市場は人の集合体で有り、対面には取引相手が居る。
市場で勝つには
Mind
Method
Money
の三つのMが必要。
そこで一番重要なのはMindである。
勝ってるから前向きになるのではなく、前向きだから勝つのである。
テックスコッブの言葉
「上昇気流にある者は誰でもヒーローになれる。男の本当の価値は何一つうまくいかない時に、それでも前に進む根性が有るかどうかだ」
無意味にポジションを取ることはおろかだ。基準にしっかりと見合う低リスクの取引を探すことに注力する事こそが攻めの姿勢で、安易なポジ取りは攻めでなく、臆病で混乱した行為である。
おそれは無知から生まれる。しかし恐れを知らない初心者はあまりに無知で自分が無知で有ることさえわからないのだ。
名言的な印象に残った部分が多い。ただ実際の投資行動にうまく反映できるか…は当然自分次第か。
本書に書かれてるトレーディングにまつわる行動は正解とも不正解とも言えない
トレーディングには様々な考え方がありそのどれも見て間違ってるというわけではない、例えばエントリーに失敗したとしても、株式という商品自体は BPS が溜まり続けるものでありプラスサムの商品なので、ホールドし続けていればいつか勝つ可能性もあるだろう。
なのでこの本に書かれていることの全てが正しいとも思わないし間違っている部分があるとも思わない。
私の株式投資スキルが低すぎるのが原因なのか分からないがこの本の有効性については全体的に多少懐疑的な印象が個人的にはある。
しかし一部だが確かにこの手法や考えはトレードの勝率向上に寄与するのではと思われる部分もあったので以下に記述した。
個人的にこれは確かに間違いないと感じた行動はトレードに関しての日記・日誌をつけること
本書第6章熟練トレーダーへの道の第7の法則にトレーディング日誌をつけるという記述がある。
これは非常に地味なやり方ではあり面倒なのでほとんどの人はやらないと思うが、 個人的にこれをやったことによって自分自身の株式トレーディング行動が改善された。 しかし何か儲けられる方法が見つかったとかそういったことではなく今まで-10だったのが-5になりマイナスの量が減った、という程度である。
個々の記述の中で著者はトレーダーの行動の中で最も価値あるものの一つにトレーディングにおける失敗の日誌への記録が挙げられると冒頭に書いている。
私の実体験として 、以前 BNF さんのようなスイングトレーディング超人が紹介された動画を YouTube 上で何気なく見て自分も真似したいと無謀にも思い立ち(いわゆるダニングクルーガー効果ですね)デイトレ紛いのことをしていたことがある。
今考えると株式市場と言うプロの巨人機関投資家や B N F さんのような天才トレーダーや天才的なファンドマネージャーが経営しているヘッジファンドのアルゴリズムと全くの初心者が短期売買で取引して勝てるわけがないと思うのだが当時は無邪気に挑戦してしまった。
その結果非常に短い期間で数十万円の損を瞬く間に積み上げたのだが、はっきり言って間違ったトレード行動が多すぎてどこから改善していいのか全く分からないという状況に陥った。
そこで本書に書かれているようにトレーディング日誌をつけるようにしたところ、自身の改善点が浮かび上がり連日のように-10だったのが-5程度に改善したということである。
本書にはこのように書かれている
日誌をつけることによって私のトレーディングの正確性は想像だにしないレベルまで高まった同じことが読者にも起こり得るはずだ
~
証券会社からの無残な計算書をかき集めて負けた取引について約定日、銘柄コード、購入価格、売却価額、手数料合計、取引の理由、などの砂を噛むような詳細事項を書き記すのであるそしてチャートを用いて負けた取引を検証する
~
これらを詳細に吟味することによって繰り返し同じような間違いを起こしていることに気付いたのであるそこでこれらの間違いを
ポジションを取るのが遅すぎた
売却が早すぎた
持ち過ぎた
欲を出し過ぎた
神経質になりすぎた
ストップロスを無視した
といった異なるカテゴリに分類することにした。この作業を終えると私が何者であるかがはっきりしてきてこの状況を出して別の人間になるためには何をすれば良いかが分かってきた。
他の失敗はさておき最も頻度の高い失敗に注目し排除することに努めたのである。
私が実際に記録した内容と詳細は違うが、同じ所は間違いをカテゴリに分類して記録したところである。
実際にトレーディングを始めた当初私が一番よくしでかしていた誤りはエントリー価格が高すぎるという誤りだった。
なるべく下で指値をすれば良いのに値動きに釣られて動くものに飛びつく猫のように高値づかみをしてしまう。これを何度も繰り返してしまっていた。
大体トレーディングをしてる時に自分自身のこの間違った行動について薄々と無意識下で感じてはいるのだがそれだけでは改善できない。
人間は同じ誤りを何回も繰り返し繰り返ししてしまうものだと思う 。
その原因はよくわからないがその人間に染み付いた癖であったり、生まれつきの思考の傾向であるのかもしれない。
その繰り返しの誤りを正すにはこのようにトレーディング日誌をつけ、客観的に見える化して都度都度対応していくしかないと思う。
本書には例となるトレーダーが犯した二つの失敗の事例について記述した後、このように書いている。
このようなトレーディング日誌に付けることによってトレーダーが必要とする情報がつまびらかになる。
~~
取り上げた二つの失敗はこのトレーダーが楽観的ではなく懐疑的でありそして最も懐疑的でなければならない時に、無意味に楽観的だったことを示すものである。
~~
このように失敗を日誌に付けることによってこうした隠された事柄が明らかにされ、自分が何者であるのか、どこに行こうとしてるのかが明確になる
~~
この二つの失敗パターンが続くようならこのトレーダーはこれら二つの感情を封印し
~~
決してこれらの失敗を犯さないようにすることを唯一の目的とするのである
私がこの手法で良いと思うポイントは無数にありすぎてどこから手をつけて良いかわからない失敗点の記録により数値化し、なるべく優先度の高いと思われる失敗、つまり回数が多い失敗に着目して集中して解決できるという点である。
ビジネスの場で使われるような パレート図 (ABC 分析に用いるようなチャート)を自分自身のトレーディングでも作るということである。
おそらくいきなりトレーディングで勝ってるような天才トレーダーはこれをわざわざトレード日誌などにつけなくても自然とやってるのかもしれないが、はっきり言って凡人以下の私のようなトレーダーはこのように一つ一つの失敗を整理記録し優先順位の高い部分から一つ一つ改善に取り組むと言ったことを しなければ一向に改善が見られないまま、いたずらに損失を積み重ねるだけであった。
ここまで書いて 自分自身でも思うのがここまでやらないと短期売買で勝てないのであればコストとリターンに見合わないのでないかという点である。
これは小資金量でははっきり言ってコストに見合わないのは当然であるし、おそらく世の中の99%以上の人は短期トレードでかけた労力に見合う以上のリターンを得ることはできないと思っている(もちろん全体の地合いが良くて何が誰を買っても誰が何を買っても確実に儲かる時は別だが)。
私のケースで言うとここまでコストをかけて研究したが未だに短期売買でわかってていないどころか大幅な負け越し状態である。
本書の感想まとめ
短期売買に関していろいろなこうすべきという色々な行動の例が記載 されており、トレーディングに興味を持ち始めた、という方が参考程度に読んでみるのでは読んでみるのは悪くないと思う。
がしかし当然のことながらこれを読んでも短期売買で勝てるようにはならないし、全体ではプラスサムの株式投資でも、こと短期売買に限れば手数料なども有るため、完全なマイナスサムのゲームであり、ほとんどの人は勝てない。
そのためある程度まで努力、例えばトレード日誌をつけるなどまでやっても勝てるようにならなければ潔く諦めるというのも損切りという観点では良いのかもしれないと今では思う。
例えば BNF さんとかクラスのトレーダーだと初めて1年目で常に勝ち続けていたわけである。
よく言うのがもう少し努力すれば壁を突破して勝てるようになるかもしれないという事だが、そこは 誰にも分からない部分であるので、トレード日誌をつけて自分を客観的に見た時にそう思うのであれば続けても構わないと思うし、これはとてもじゃないがかけた労力のコストリターンに見合わないと感じるのであればやはり前述のように勉強代だと思って潔く損切り(短期トレードをやめる)がいいのではないかと思う。
私はトレード日誌をつけ、自分を客観的に分析してみたところとてもじゃないが短期売買では勝てないと思った、そのため株式投資に関しては中長期目線で普通預金金利を超えればまず良いかというくらいの視点で取り組んで行こうと思っている。
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